どんな内科医に転職する事例が多いのか
最近の傾向として、外科執刀医から内科医に「積極的転科」と「妥協的転科」にはっきり分かれてきていることが判明しています。
2012年と2010年の厚生労働省の調査があります。「施設・業務の種別にみた医師数」というものであり、2012年12月31日現在の数字ですが、面白いことがわかります。
この2年で医師数は29.5万人から30.3万人に増加。実に8,219人増えているのです。さらに、この2年間で8,419人「勤務医」が増えていることもわかりました。
つまり、この2年間で差し引き200人の医師が「開業医」から「勤務医」に転換した可能性があるわけです。
事例としては「長年、外科医を営んでいた個人開業医が後継者がいないことから廃業し、町立病院の内科医に転身」「外科医として働いていたが、手術が多く、休みが取れないことから検診医、産業医として転身」という例が多く見られます。
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簡単に転身できる、というのは訳がある
外科医も内科医も医師免許は同じですが、得意技が違うことで、医師としての「働き方」や「使命感」は大きく変化します。
例えば、眼科医として働いてきたが、目が悪くなってきたので「検診医に転身」といった例は、医師の高齢化がもたらすひとつの例です。
ところが、こうした転身にはなかなか難しい問題も隠れています。
2012年に有名になった、秋田県上小阿仁村(かみこあにむら)の国保診療所騒動は、未だに尾を引いていることをご存知でしょうか?
村でたった一つの診療所の医師が高齢で辞職した後、赴任してきた新人医師が1年もたずにどんどん辞めてしまった、という話です。
医師は外科医でも内科医でも、高齢になればなるほど実績を携えるのは常識です。
ですが、医師過疎の村や町では、高齢の著名な医師と言えども、よそ者はよそ者。
特に人口の少ない閉鎖社会では、医師を2,000万円もの年収で呼び寄せ、それが町民の怒りを買って、いじめられるケースが全国で勃発しているのです。
その結果、日本のどの地域でも医師が「過疎に定着」することは、非常に難しいのが現実です。
もちろん、外科医のスキルと内科医のスキルの差もあるでしょう。
ですが、大事なポイントは、外科医から内科医に移る際、転身先の医療機関の内情をよく知ることです。人事はどうか、どの大学の出身者が多いのか。
結局は医師の社会も一般社会と同じ、しっかりと情報を集めないと、自分がノイローゼになってしまう可能性が高くなるのです。
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