医師が転職する理由とは？
「転職ということは、脱局ということ？」これは、あるドクターがつぶやいたひと言です。
大学病院から医局の勧めで入職する病院の多くは、医師を一人前にする重要な役目を果たしています。
確かに、体力的にも精神的にもハードな仕事が、この入職時に待っています。
日本の医療界は、大変激務を重ねてきたドクターの力で、全国どこでも一定水準の医療を手に入れることができました。
ですが、それを上回る勢いで様々なハードルが医師の環境に押し寄せています。
患者の老齢化、老齢化特有の症例による「宿当直」の増加、オンコール、救急医療、NICU、そして薬物患者の増加…
そして一方で、器械の進歩による「操作技術の取得」、新開発のくすりを勉強する時間も必要であり、そして結果激務に見合う診療報酬は「右肩下がりに」改正されています。
今や、ドクターになるには大学入学から２０年、ともいわれる時代です。
勤務医の専門性は高まる一方で、かかりつけ医が不足という問題は解消されていません。
つまり、多くのドクターが自分のライフワークとは違うフィールドで勤務し続けており、その結果体調を崩したり、プライベートライフを求めようと「転職に踏み切って」いるのです。
自治体病院の医師が民間病院へ移る傾向にあるのは、報酬の低さと多忙さ故、といいます。
また、臨床したくても過疎地では医療機器が揃わず、看護師もいないことから、都市へ回帰する医師も少なくありません。
むろん、報酬をもっと得たい、ということも大事なファクターです。
自分のスキルに見合う報酬や待遇、家族の幸せを大事にしたいと考え、転職を考える医師は多いのです。
子供の教育環境や配偶者の希望、親の介護なども、職場環境を変えようとする理由として重要といえるでしょう。
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